2019年度講演会(第50回一橋祭)のご報告と御礼

講演タイトル:「戦後日本の満洲記憶――引揚者に聞く」
講演者
古海 建一 氏(前国際善隣協会理事長、元東京銀行常務)
土屋 洸子 氏(公主嶺小学校同窓会事務局長、新宿平和祈念展示資料館語り部)
日時:2019年11月24日(日)14:00~16:00
会場:一橋大学(西キャンパス)インテリジェントホール
関連企画「戦争と一橋生」
講演者:佐藤仁史(一橋大学教授)
タイトル:「敗戦後満州の如水会員――留用・引揚げ・抑留」
主催:一橋いしぶみの会
日時:2019年11月24日(日)11:00~13:00
会場:一橋大学(西キャンパス)インテリジェントホール

11月24日、一橋大学(西キャンパス)インテリジェントホールにて2019年度「満洲の記憶」研究会一橋祭講演会(一橋大学学園祭講演会)開催いたしました。
今回は「戦後日本の満洲記憶―引揚者に聞く」と題し、登壇者として元国際善隣協会理事長、元東京銀行常務の古海建一氏と、公主嶺小学校同窓会事務局長、新宿平和祈念展示資料館語り部の土屋洸子氏にご講演いただきました。
古海氏からは、1933年に「満洲国」(以下、括弧略)の首都「新京」でお生まれになって以降、新京白菊在満国民学校6年生で日本敗戦を迎え日本に引揚げるまでの過程や現地での暮らし、お父様である古海忠之氏(満洲国の総務庁次長)の戦後のエピソードなどについてお話しいただきました。

土屋氏からは、ご家族と共に3歳で満洲国の公主嶺へ移り住まれて以降の現地での暮らしや現地の学校の様子、13歳で経験された日本敗戦前後の状況、引揚げ過程、日本に戻られてからの暮らしなどについてお話を伺いました。

2015年の一橋祭で弊会では、開拓団員として満洲へ渡られた方の日本敗戦・引揚げ経験を取り上げましたが、今回は元開拓団員の方の経験とはまた異なる、満洲国総務庁次長を務められたお父様を持つ古海氏、そして公主嶺の農事試験場に勤務されたお父様を持つ土屋氏の日本敗戦・引揚げ経験について伺うことができ、大変貴重な時間になりました。
また、お二人が幼少期を過ごした満洲での戦前・戦後、あるいは日本での戦後の経験を振り返りながら、幼い頃には気がつかなかった、もしくは知らなかった様々なことを今現在、どのように理解しとらえていらっしゃるのかということを知り、とても勉強になりました。

当時の経験を直接聞くことのできる機会が非常に少なくなった今、弊会メンバーのような若い世代が当事者の経験から何をくみ取り、歴史の教訓としてどのように活かしていくかが問われていると感じました。今後、弊会がそのような一翼を担える存在に少しでもなっていけたらと思いつつ、お話を聞かせていただきました。
今回の講演会については、11月10日の東京新聞で取り上げてくださったこともあって、当日は200名近くもの方にご来場いただきました。貴重なお話をお聞かせくださった古海氏と土屋氏、そしてご来場いただきました皆様に心より御礼申し上げます。

作成日:2019年11月25日 文責:飯倉江里衣
ニューズレター『満洲の記憶』ダウロード先:
http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/handle/10086/27095
(Facebook公開ページ)
https://www.facebook.com/groups/359559330877470/
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